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やりきるってすごいこと!

    先月、キアリーではファミリーとも言える、Mくんの生活発表会にお誘いいただき、ぜひ!と見に行ってきました。
    この活動をはじめてから、なんだかわたしたちの大切にしたい人がどんどん増えた感覚だし、うちの子もみんなに見守り育ててもらってる感じなんです。大家族みたいですね(笑)
    さてその保育園は、ヨコミネ式の園でした。実はわたし、ヨコミネ式を実際に見るのははじめてでした。
今日はその印象についてまとめたいと思います。
 ただ、結果ではなく、あくまでも子どもたちの内面について考察したいと思います。

1.こどもたちの様子

 発表会は、市民ホールを貸し切って行われました。内容は、歌・楽器・英語(劇あそび)・運動(マット、跳び箱)でした。

 かなり練習したんだろうなというのは分かったのですが、「練習させた」の中身にすごく濃さを感じました。だって「やる気」に満ち溢れているんです!

 そう感じた理由は2つ。
・動きはさることながら、言わされている言葉にさえ、一人ひとりの覇気がこもっている。
・年長さんは、一人ひとりのやる気宣言ムービーみたいなやつで、明らかに自分の心から出てきただろう言葉を言っている。

   最近では“ やる気スイッチ”なんて言葉もありますが、そんなスイッチが実際にあったらぜひ連打したいわけで(笑)単純に不思議に思ったんです。なぜこんなにやる気が?と。

2.「発表」するのは、普段どおりの子どもたちの姿と、普段どおりの保育への思い

 「発表会」というと、園の中には、見栄えのいい発表会をしているところも少なくないような気がするんです。子どもたちは普段やっていないことをやり、先生は必死に教える、というように。
 子どもたちが先生にさせられただけで終わってしまうのは、保育をする者としてとても残念です。それに、先生に怒られないように必死にやって、その子の中に、その先生の中に何が残ったのかなと考えたら・・・。
 
 わたしは実はこのヨコミネ式に対しても同じような思いを抱いていました。でも発表会を見て実際に見て感じたものは、「子どもたちと先生の普段どおりの考え方」だったんです。

3.会場で起こったこと

    不思議なことに、その子どもたちの姿を見ていると、わたしまでやる気が湧き出てくるんです。娘はもちろん、横で逆立ちに挑戦しようとしていました!そして「頑張れー!頑張れー!」ってひとりで叫んでました。

 同じように、他のお客さんたちも心が動いているようで、拍手は自然と起こり、「おぉ〜!」という歓声は当たり前でした。それは「すごいことをしたから」ではなくて、「最大限の“やりたい!”と“負けない!”という心で取り組んでいるから」だと思いました。「やりきる力」を子どもたちの覇気から感じるんですね。そして最終的に、泣いちゃってました。わたし保護者じゃないのに(笑)

 子どもたちは、確実にお互いに刺激しあい、高め合っていました。最後の鳴り止まない拍手は、まさにその「姿勢」への拍手でした。

4.子どもたちの内面で起こっていること

● 「One for All,All for One」
 これってクサい言葉じゃなくて、言ってるだけじゃなくて、子どもたち一人ひとりの心がその空気をつくるんだと思いました。
 心。みんなが普段からいつも一人ひとり(先生も)を応援し、信頼している。だから、一人がみんなのためにこんなにも頑張れるのでしょう。結果的に、子どもたちは互いに刺激しあい、高め合っていました。

●子どもたちの「素直さ」
 大切なのは「普段から」というところ。それができるのは、子どもたちの素直でまっすぐな心があるからだと感じました。「先生のアドバイス通りにやったら、結果を出せた!認められた!嬉しい!」そうしてつくり上げられた信頼が、素直に人の意見を聞く心をつくっているのかもしれません。

●「意欲」「自信」「諦めない心」の無限のループ
 そうした心が基になり、ループに入ります。成功体験は、自信をつけ→さらなる意欲につながり→成功へと繋がります。もし結果が失敗でも、先に述べたような心や姿勢、雰囲気が基盤になるので、諦めない心が常にはたらいていることになります。

5.まとめ

 自己肯定感とよく言われますが、あなたは自分を肯定できるのはどんな時ですか?やっぱり、人の役に立ったとか、何かができたとか、結果が出た時ではないでしょうか?でも子どもたちは少し違うと感じました。


 子どもたちは発表会当日も失敗していました。全然跳べそうもない高さの跳び箱に、恥ずかしげもなく何度も真正面からぶつかっていました。そんな姿を見た人は、自然と勇気が湧いてくるのです。


 当の本人はというと、ただ楽しいのです。みんなに応援され、いつか必ずできるようになる未来がそこに見えるから、そこまでいく過程をひたすら楽しんでいるのです。

 

 子どもに意欲や態度を身に付けさせたい!では親はその心を持つことの素晴らしさを見せているでしょうか?「そんなの無理に決まってる」「どうせできるわけない」そんな考えで、結果に重きを置くべきだと自然に刷り込んでいませんか?

 

 子どもたちの姿から学んだことは、「今この時を最大限に生きる」ことでした。大人はどうだろうか?まず自分のセナカを見直したい、そう考えさせられる貴重な経験でした。